フィリピン人採用のためのPOLO手続きの概要

   フィリピン人採用手続きは複雑です

 1 人材送り出し大国の仕組みとは

  多くの国では、日本での就労許可(就労Visa)があれば、その国を出国出来ますが、フィリピンの場合は海外雇用庁(P O E A)という役所の「海外就労許可証」がなければ日本への出国が許可されません。(飛行機に搭乗できません。)そして2017年途中から、その出国許可をとる手続きは必ずフィリピンの人材会社を通さなければならないというルールになりました。➡️フィリピンの人材会社の使用 につい

  世界中に人材を送り出す人材大国フィリピンとって、送り出した人材が、その国でどの様に扱われるかは、非常に大きな関心事だろうと思います。その為、海外に送り出す人材、送り出した人材についてかなり厳格な保護政策、保護制度をとっています。おそらくかつて、少なからぬ自国民が海外で過酷な条件のもとで就労を強いられたことがあった為に、このようなことになったと思われます。日本などは労働者保護には大変手厚い訳ですから、日本での就労にまで適用する必要はないように思われますが、世界的な標準ルールとして日本にも適用しています。「厳格な保護政策、保護制度」とは具体的にどのようなものか順を追って説明いたします。

 2 仕組みの主体はフィリピンの人材会社とPOLO

  保護の仕組みを一言で言いますと、日本での就労については、「必ずフィリピンの人材会社を通じて(有料です)、政府の許可(海外就労許可証)を得ること」と言えます。また、この手続きをするフィリピンの人材会社が出国者の日本での労働条件、労働環境を見守るということになっています。ただ、箇々の人材会社が遠隔で保護の実効をあげるのは難しいので、人材の送り出し先国毎にフィリピン政府の下部組織を置いて、各種手続きや保護の役割を担わせています。これをPOLO:Philippine Overseas Labor Officeと呼んでいます。その上部組織がフィリピンにある海外雇用庁P O E Aで、本庁と海外出先機関の関係にあります。この二つの機関が、保護ならびにその前提となる募集、採用の許可を行います。
就職しようとする会社や労働条件等の審査をし、これらの機関が「海外就労許可証」を出しますが、既に出国して日本いる留学生や就労者にも適用されます。と言いますのは、フィリピンに一時帰国の際、この許可がなければ日本に向けて出国できない、即ち日本に帰れないという仕組みにしているからです。

 3 POLO手続きは弊社がサポートします

  上に概要を述べた手続きの中には、フィリピン人を雇用する会社は、東京にあるP O L O事務所に通訳付きで面接に行かなければならない、という手続きも含まれています。書類はフィリピンの人材会社で準備しますので、(出張の時間、費用などは掛かりますが)特に問題ありません。(通訳も要望に応じ派遣します。2020年から P O L Oは、大阪にも事務所ができました。)どのような書類が必要か、どんな労働条件を満たさなければならないか、など順次ご説明します。POLOは費用を要求しません。入管と同様、無料です。(フィリピンの人材会社等の手続きは有料です。)

 4 主な政府機関と各種手続き書類について

  フィリピンが独自に付けている各種名称(略称も多いです)について、その組織や書類の働き、目的等を含めて以下説明します。ざっとご理解頂ければと思います。

   1) P O L OとP O E A

  これは既にご説明したように、日本の厚生労働省に当たるフィリピンの政府組織の下部組織で、上から労働雇用省(D O L E)、P O E A、P O L O(東京、大阪)となります。P O L Oは以前は東京にだけあり、北海道の雇用者も九州、沖縄の雇用者もPOLO東京に面接に行っておりましたが、2020年に大阪事務所ができましたので、かなり便利になったと思います。所在地、連絡先は下記です。

・  駐日フィリピン共和国大使館海外労働事務所(POLO)
〔所在地〕東京都港区六本木5-15-5
 テリトリー: 静岡県、長野県、新潟県から東側、及び沖縄県

・  在大阪フィリピン共和国総領事館労働部門
〔所在地〕大阪府大阪市中央区淡路町4-3-5 URBAN CENTER御堂筋7階
 テリトリー: 愛知県、岐阜県、富山県、石川県、福井県から西側

   2) 海外就労許可証(OEC)と在留資格認定証明書(COE)

  これらは最終的に目指す「認可証」「認定書」の名称です。前者はフィリピン政府が本人に発行する就労許可、出国許可です。後者は、フィリピン人に限りませんが、日本政府が本人に発行する在留資格証明(就労許可)です。順序としては、POLOに対して人材募集許可、海外就労許可(労働者を海外に派遣する許可、出国する許可)を取得するための申請をスタートさせ、その後、日本に来るフィリピン人が確定した段階で、入管に対して在留資格認定のための申請を行います。在留資格認定を受けて、フィリピン政府から海外就労許可証を取得し出国となります。おおよそPOLO手続きは約1ヶ月、入管審査が2.5ヶ月位です。

   3) ふたつの重要な契約書 「人材募集採用契約」と「雇用契約」

  前者が雇用者とフィリピンの人材会社が締結するもので、後者が雇用者と被雇用者が結ぶものです。(これらの書類をフィリピン側ではRecruitment AgreementとEmployment Contractと呼んでいます。)「人材募集採用契約書」がPOLO 、POEAで認められて始めて、フィリピンでの募集、面接等の活動が可能になります。この締結前に、フィリピンのホテルなどで、採用活動をすると法に触れることになり、実際取り調べも行われているのでご注意下さい。「人材募集採用契約書」には、日本での公証役場の証明(Notarization)が求められます。ほとんどの方にとって、公証役場なるものは縁遠いものですが、雇用予定会社は公証役場に出向く必要があります。ただし委任された代理人でも構いません。
  「雇用契約書」は日本に普通にあるものですが、フォーマット、内容はP O E A、P O L Oが決めたことをかなり忠実に守る必要があります。ここら辺りについては、別ページでもう少し解説します。全体の流れをホーム省の資料により確認することができます。資料のタイトルが「特定技能」となっていますが、基本的にどの在留資格でも同じです。➡️手続きの流れ

 

 

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