POLO手続きでの重要な事項

         POLO手続きの重要な事項をここでご理解下さい。

  フィリピン人採用に限って行わなければいけない手続き、以下「POLO手続き」について説明しておりますが、その中でも特に重要なものについて説明いたします。以下に概要を列挙し、それに続いて詳細をご説明します。


1 「人材募集採用契約書」の締結とそれについてPOLOの承認が必要です。
  フィリピン人採用にあたり、フリッピン人が不利な扱いを受けないよう日本の雇用者とフィリピンの人材会社が共同でフィリピン人を守る旨の取り決め(誓約)を行い、それをPOLOに共同で提出し、承認される必要があります。特に、最初に採用する人の時だけですが、雇用者(会社)が東京または大阪のPOLO事務所に面接に出向く必要があります。また書類には公証役場での認証が必要です。
2 「雇用契約」についてPOLOの承認が必要です。
  採用の際に被雇用者と雇用者が契約する「雇用契約」の内容について、本人との間で契約する前に、上記No1と同じタイミングでPOLOによる事前承認を得る必要があります。フィリピン人に不利がないか、かなり厳密にチェックされます。
3 「職務内容」についてPOLOの承認が必要です。
   職務内容に記載の仕事を申請者(雇用者)の会社でフィリピン人にさせても良いかPOLOのチェックが入ります。ある意味では入管での「在留資格」審査より厳しいので注意が必要です。

これらをセットで申請し、承認を受けて始めて募集、採用活動が開始出来るという仕組みになっています。

   1 人材募集採用契約について

  この契約書をRecruitment Agreement と呼んでいます。(雇用契約書はEmployment Agreementと呼んでいます。)2017年から、フィリピン人を採用するにあっては必ずフィリピンの人材会社(正確には政府機関POEAの認証を得た人材会社)を通さなければならなくなりました。フィリピンの人材会社に人材の斡旋を依頼することになりますが、その際の基本となる契約がこの契約書です。➡️フィリピンの人材会社の使用

この契約書のポイント

1 募集活動、面談等はPOLO、POEA承認後初めて可能であること
  POLOそして本部のPOEAが認めた後でないと採用活動は出来ません。例えば、良い人がいるとのフィリピンにいる友人の連絡でフィリピンに出向き、候補者と就職の話をするようなことは厳禁です。POEA等に情報提供がなされたりすると(いわゆるたれ込みがあると)非常に問題です。余りないことかと思いますが、ご注意下さい。
  また、採用予定者がすでに決まっており、仕事の内容、待遇などが決まっていても、現地の人材会社を通さなければなりません。日本にいるフィリピン人を採用する場合は通す必要がありませんが、一時フィリピンに帰国し、再出国する際に海外就労許可証(出国許可)を求められるので要注意です。

2 渡航費用を含め被雇用者に一切の負担をさせてはならない
  日本人を採用する場合、沖縄の人、北海道の人が東京に就職の為に来るのに、旅費を会社が負担するの?フィリピン人を採用する場合は、人材募集契約書で、雇用会社負担となっております。(以前は、日本人採用と同じだよ、と被雇用者の理解を得て、渡航旅費を本人負担にするのも問題なしとなっておりましたが、最近はこのルールを厳格に適用してます。)

3 本人が日本で死亡した場合、基本的には遺体をフィリピンに送るべき
  このような項目があります。ただし書きもありますが、このような文書が契約書に入っています。海外労働者のための保険に加入する雇用者もいます。(高額ではありません)。ただし本人負担は禁止となっています。

  契約書の内容がフィリピンの人材会社ごとに若干内容が異なるので注意を要します。契約で書かれてないことで問題となった場合、「フィリピンの法律に従って処理すること」となっている契約書もあります。人材募集契約書の中身はかなり被雇用者に有利に出来ています。それはPOEA ,POLOの存在目的が遠方に出掛ける被雇用者を保護するためのものですから、フィリピン人保護に偏るのは当然の成り行きかもしれません。しかし、以前に比べ現在はかなり緩和され徐々に日本のルール、慣行に近くなっています。

  この契約書及び次に説明する雇用契約書の内容がどの程度の強制力を持つのか?日本の法律以上のことを求めているこのルールの強制力をどう考えるか。外国人雇用とは言え、日本国内の雇用なのだから、日本の労働法を守れば良いのではないかと考えられます。
  この件に関し(フィリピンルールの強制力に関し)、日本の法務省はどう考えているのか? 労働基準監督署は? 弁護士は? 社会保険労務士は?どうなんでしょうか。法務省は、今まではコメントしていませんでしたが、2020年、特定技能制度の発足にあたり、「フィリピンでは特殊なルール、手続きがあります。(お気をつけ下さい。)」という注意書きを発行しています。お知らせ的な文書です。詳しくは右➡️法務省公表資料をご覧下さい。労基等の意見を伺いましたが、「契約書にサインしていれば、それが有効でしょう。」ということです。ですので結論は、契約した以上は守らなければならないというになります。

   2 雇用契約について

  雇用契約書(Employment Agreement)及びそれに付随する給与等の明細書(Salary Scheme)で、被雇用者であるフィリピン人の待遇について取り決めます。
  給料は、日本の入管が指導している額(大卒初任給レベル)より若干高い額が求められます。日本国内で相場として通っている額よりどうして高いの?と思われるかもしれません。住居を提供する場合など、その提供額が適正か、などという点もチェックが入ります。また、年休の他に医療休暇を求めれる場合もあります。ボーナスは必須ではありません。

  給与等の明細書(Salary Scheme)はかなり細かくチェックされます。住居手当等各種手当のチェックの他、税金、年金、保険料等の見積(予想額)を記載する必要があり、それを引いた手取りがチェックされます。
  雇用契約年数が少し悩ましいところです。良い人だったら長くいて欲しい、しかし期待を外れたら早く辞めて欲しい。また短期に書くと辞められる恐れがある、等が本音だと思います。契約期間は、「1年(3年、その後両者の協議いより延長」とし、自動延長に近い形で運用するのが良いと思います。

   3 職務内容について

  POLO提出資料の中に、採用しようとする人の職務内容について記載する書類がありますが、入管よりかなり詳しく書くことを求められます。また、同じく提出書類である登記簿謄本の内容である定款との関連性を審査されます。入管審査より厳しく審査されるので、注意が必要です。具体的な例をあげますと、
1 ホテルスタッフ業務を大卒資格(在留資格証明の区分で言いますと「技術・人文国際」)で可能か?
  入管では大学の専攻、日本語能力等により認めていますが、POLOでは「不可」の判断をされた事例が多々あります。この判断は、特定技能制度が発足したすぐ後にされたもので、ホテル業務が特定技能の1職種に入った為に、これからは特定技能者のみ可能との誤解があった為だと思われます。
注意が必要です。
2 放課後の児童生徒預かり指導業務
  入管では認めていますが、POLOでは「不可」の判断をされた事例があります。介護などを手掛ける会社が正式な認可の下で実施している業務なのですが、定款にこのような新しい業務の記載がなかった為にPOLOが不可と判断したものと思われます。
などなど、微妙な問題で予期しない判断がなされることがあるので、注意が必要です。

手続きの詳細については、このホームページの別ページに記載しておりますので、ご覧戴きたいと思います。

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