外国人雇用の各種形態と能力、待遇等

実習生か派遣か、または直接雇用か?

  アルバイト(パートタイム)やインターン、ワークキングホリデービザを除く、いわゆるフルタイム勤務と言う意味では外国人雇用の形態は「実習生として雇用」「外国人を派遣として受け入れる」「社員、契約社員として直接雇用する」の3つです。2019年4月に新設された特定技能は、「直接雇用」の範疇に入ります。

1 外国人の雇用形態

  簡単に外国人の雇用形態を整理します。
    1 直接雇用 日本人と同じ正社員、契約社員の形態です。
    2 特定技能の直接雇用 上記にほぼ同じ形態です。
    3 派遣 派遣会社が外国人を直接雇用し派遣します。
    4 実習生 直接雇用でですが非常に特異な雇用形態です。
    5 アルバイト 留学生及び上記1、3や日本人の配偶者等です。
    6 インターン 海外の学生の勉強を兼ねた長期アルバイトです。
    7 ワーキングホリデービザでのアルバイト 路銀稼ぎバイトです。

  弊社は、正社員(契約社員含む)、特定技能者の紹介(特定技能については紹介及び就労支援)を主な業務としております。つまり上記1、2の直接雇用をお手伝いいたします。その他、インターンの紹介、海外からの呼び寄せ、外国人の派遣なども可能です。

  1) 外国人が出来る業務は法律で決められています

  実習生、特定技能者ができる職種は厳格に規定されています。通常の正社員採用についても、実習生、特定技能ほどではありませんが、ある程度決められています。職種の範囲はかなり広いです。大学の学科にあるような職は大体可能です。ただ、広いと言っても、入国時にその人に与えられた職域内の仕事に限定されます。今から詳しくご説明致しますが、まずここでご理解頂きたいのは、「入国時に許可された仕事」に限定されます。エンジニアとして入管から許可されている人が、ラーメン屋で働いてはいけません。つまり、就労許可を取得しているから、日本でどんな仕事でも出来るという訳ではありません。外国人を雇用するに当たり、担当してもらおうとしている職が法的に可能か、雇用者側は十分注意する必要があります。職種を法的には、在留資格(区分)と言います。

  2) 法律で決められている職種

  法律(入管法)で、どの様な外国人が日本に住み事ができ、どんな活動に就く事ができるかは、規定されています。ちょっと分かりにくいですが、正確に知りたい方は、右➡️在留資格一覧表を参照下さい。外交官や留学生など沢山の資格がありますが、就労できるかいなくかも規定されています。その中から民間会社等が直接雇用可能な在留資格について記載します。下記1,3は「技術・人文知識・国際業務」という在留資格でよく「技人国」などと称されています。

  法律で許可された職種と許される人
就労資格分野 就業可能な職業と要件
1. 技術 機械工学、電気工学、土木建築、ITなどの技術者で、大学工学部の卒業者か、又は10年以上の実務経験者です。専門学校卒では、不可能な場合があるので注意が必要です。大学等は、15年以上の就学ならば、ほぼ問題ないと思われます。その様な就学により得た知識等を活用した就業が可能。CADCAM,NC加工関係の技術者も可能です。
2. 技能 製造業での職人、調理人、ソムリエ、外国に特有の建築、宝石・毛皮の加工、スポーツ指導などの業務に従事するもので、その分野で10年(一部職種は5年)以上の実務経験があるものが就業可能。
3. 人文・国際 語学の教師、外国人の接客、通訳などの業務を行むもので、大学の科目にあるような分野の仕事が可能です。大学卒業の者が就業可能です。
4. 教育 中学校、高校の語学(主に英語)の教師等。

  3) ホテル・旅館等接客業界での採用について

  技術、技能形の職種は、その仕事の内容が分かり易く、採用可能かどうかの判断し易いのですが、ホテル、旅館、レストラン、デパート、免税店、スーパーなどの接客業は、その内容がやや不明確なので注意を要します。
  今後共人手が最も逼迫する業界は、医療、建設、それにホテル・旅館業界だと言われています。インバウンドの効果もあり、特に地方のホテル・旅館で人で不足は顕著と言われています。そこで、外国人利用の多いホテル・旅館で外国人の活用が進んでいます。また今後、外国人客を増やしたいというホテル等での採用が進むものと思われます。
  ではホテル、旅館にはどの様な人が採用可能なのか?観光学科を専攻している人など、観光業のプロならば国籍にかかわらず採用可能ですが、言葉の活用という意味では、中国語と英語が主ですので、採用できる外国人は、大学で英語、中国語を専攻した人か、これらを母国語とする人たちです。  
  日本語能力は在留就労資格(入管審査)での必須要件ではありませんが、やはり実務を考えますとN3レベルは必須と思われます。(直接雇用=社員採用とは別に、現役の外国人大学生を活用する方法があります。これは、インターンシップという制度を活用するものです。これについは別ページの➡️「インターンの活用」をご覧頂きたいと思います。)

  観光業の専門職として採用される人は、その業務に携わる必要があり、英語、中国語活用で採用される人は、それらの言葉と使った仕事に携わる必要があります。外国人に対する接客業務、フロント業務、予約業務、問合せ対応、広報宣伝企画業務などですが、常時100%外国人に対応するのは現実的ではなく、日本人のお客様への対応も問題ないと思われます。詳しくはまた、ホテル等での外国人の従事について国の指針が出ていますので、参考にして頂きたいと思います。➡️「ホテル・旅館等において外国人が就労する場合の在留資格の明確化について」

  日本のホテル、旅館での採用を希望する外国人はたくさんいます。
”おもてなし”に代表される日本の接客業に関心を持っている人、日本の文化に関心のある人、中国語や英語を活用したい人、勉強した日本語を活用したい人、ホテル、レストラン等の観光業を専攻した人など、日本のホテルや旅館に関心を持っている外国人がたくさんいます。是非、弊社までご連絡下さい。求人内容をよく伺い、適切な方をご紹介致します。

2 正社員雇用と実習生、どちらがいいか?

  社員として直接雇用するのがいいのか、実習生を採用するのがいいのか、迷う、もしくはよく分からないということがあるかもしれません。特に製造業の世界では、どちらも可能なので迷われるかもしれません。最も大きな差は、技術力と雇用期間の制限です。正規雇用には、制限がありません。両者の比較を下の表にまとめています。

    正社員雇用 実習生
1 採用する人 ある程度技術等がある人、大卒が主 これから技能等を習得する人
2 仲介事業者 厚生労省認可の紹介事業者 各種協同組合
3 雇用期間 無期限又は契約の年数 1年、3年(一部5年)
4 待遇(給与) 雇用契約による 最低賃金以上
5 初期費用 紹介手数料(初任給の3月分等) 事前教育費用、渡航費等約30万円
 6  月々の費用  賃金(大卒初任給レベル) 最低賃金+管理費用(3〜4万円/月)

  ご覧の様に実習生はそれほど安くありません。

3 日本語能力と検定試験

  日本語能力は非常に重要です。よく「英語の講師で採用するので、日本語能力は気にしません」と言われる雇用主さんもおられますが、外国人社員は、単なる労働力ではなく、日本に馴染んでもらい、良き市民になってもらう必要がありますから、入社前も、入社後も重きを置くべきものと考えています。

  1) 日本語能力試験

  日本語能力を示すメジャーは、日本語能力試験(JLPT)です。世界の76の国、226都市で何回2回、もしくは1回開催される試験で、少し古いですが、2011年の世界の受験者数は、約61万人だったとのことで、日本語能力を証明する最も一般的な物差しと言えると思います。日本語能力試験の詳細は、右サイト➡️日本語能力試験をご覧下さい。

  2) 試験とその特徴

  1.  最も上級のN1から下にN5までの5段階の読み書き能力テストです。
  2.  N3あれば日常生活はほぼ問題ないと言われています。
    N1は日本での英検1級相当の難関です。
  3.  漢字圏と非漢字圏では話す能力に大きな違いがあります。
    読み書き試験ですので、漢字圏の人に非常に有利です。
    漢字圏の人の話す能力には注意が必要です。

  3) 弊社が推薦する人材の日本語能力

  弊社では、基本的にN3以上の方を推薦しています。また、最低限SKYPEでの面談をして頂いています。さらに必要な場合は、インターネットを通じての日本語レッスンをしております。
日本での生活経験、例えば留学であるとか、また実習生であるとかの経験がある方が雇用者としては安心感があると思いますので、その様な方を紹介出来るよう準備しています。

4 外国人社員待遇(給料他)の考え方

  原則として次の3つの事項を認識して頂きたいと思います。
     1.  日本人と同様に労働法等が適用される
     2.  日本人と同じレベルの「同一成果同一賃金」
     3.  日本人大卒新入社員並の初任給料
  一つ目は、労働時間、保険等が日本人と同等であることを意味します。二つ目は、賃金等の原則です。三つ目は、入国後の最初の給料の決め方です。言葉、環境等の点で慣れてないというハンディがあるので、また逆にご本人には悪いですが、実力がわからないので、二つ目の待遇への移行期として大卒新入社員並の給料を保証して頂きたいと思います。

  日本人並み、日本人と同等と言ってもやはりハンディがありますので、色々サポートをお願いしたいと思います。入社時のサポートとしては、住居確保時、市役所への転入の届け、銀行口座、クレジットカード、携帯電話又はWifルータの取得などです。詳しくは別ベージの➡️「採用後にすべきこと」をご参照頂きたいと思います。

 

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